2016/04/30(土)第48回「PRINCESS & PRETTY PIG」(THE IDOLM@STER)

タイトル:PRINCESS & PRETTY PIG
サークル名:ぱ。 (Homepage) 作者:ハラヤヒロさん
ジャンル:THE IDOLM@STER 購入イベント:コミックマーケット83(2012.12.31)
傾向:食いしん坊姫と黒豚の危機(?)と愛情


 ゲーム「THE IDOLM@STER」シリーズには、PSP版「SP」から加入した「我那覇響」と「四条貴音」というアイドルがいます。響は沖縄出身のひとり暮らしで、犬や猫やハムスターや蛇などといっしょに居住中。貴音は古都*1出身で、銀髪紅眼という日本人離れ*2した容姿を持っているという、ひと目見るとあまり接点が無いようにも思えますが「アイマスSP」で同時期に登場したということもあってか、もうひとりの「星井美希」とともに行動していたり、ユニットを組んだりすることが多かったりします。本作はその中から、響の動物友達・ブタ太と貴音による4コマストーリーとなっています。

 海外長期ロケに行く響が動物たちをアイドルたちにお願いしてくじ引きで預かってもらうことになり、その中で貴音は「ブタ太」という黒豚の子供を預かることになる。名残惜しそうにしている響に対して「心配は無用です。大切な非常食、預かります」と言い放ちます。そう、貴音は端麗な容姿を持ちながら大食いという両極端な属性を持っているのです……*3

 ブタ太を連れて食べ物屋に入れば、チャーシュー麺、豚丼大盛り、ポークカツ定食を連続で頼みブタ太を戦慄させ、その時のタイトルは「他意はありません」。「嘘つけ!」と思わずツッコミを入れてしまいました。それからも大量の餌を盛られて困惑するブタ太の姿や、オウムのオウ助を預かった事務員・音無小鳥が事務所に連れてきた時「アーハヤクケッコンシタイ」と言われて慌てた姿に笑ってしまったり。貴音や響だけではなく、動物たちや貴音と響が所属する「765プロダクション」の面々が活き活きとしているのも本作の活力の源とも言えるでしょう。

 もちろん食べ物ネタだけではなく、貴音とブタ太の生活にもスポットが当てられます。貴音がブタ太を振り回し、かと思ったらアイドルの貴音がライブステージで凛々しい姿を見せている背後で、トコトコとブタ太が通り過ぎていってステージがざわついたりと、お互いかなりフリーダムなご様子。やがて響が帰ってくるとブタ太も響のもとへと駆け寄るわけですが、その後ブタ太が貴音に感謝してぺこりとおじぎをする姿には、ほんわかするばかり。エピローグでの貴音の新しい出会いと再会には、重ねてほっこりさせて頂きました。

 意外な組み合わせかと思いきや、実はお似合いなふたり(一人と一匹)というのも、普段は誰かと誰かという765プロの面々同士を組み合わせることが多い中で、響の家族である動物たちと絡ませる形にしたことで新鮮な印象を受ける要因だったかと。たとえ喋れないとしても、とれるコミュニケーションはある……最後の幸せそうな貴音とブタ太と響の寝顔を見て、そんなことを思ったりしました。

*1 : アニメでは京都と推定されていますが、実際には何もかもが不明となっています。

*2 : そもそも日本人なのかどうか……

*3 : ゲーム版「SP」ではプレイヤーであるプロデューサーからラーメンを複数杯おごってもらい、「2」ではプールの出店のものをたくさん食べ、アニメ版でもラーメン二郎ならぬラーメン二十郎のドカ盛りを平らげ、深刻な話になりそうな中でも響お手製のサーターアンダギーを平らげ、そして回転寿司の流れを断ち切るほどに食べたりといったところからお察し頂けるかと。

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