2016/03/13(日)第4回「日だまり日記」(オリジナル)

タイトル:日だまり日記
サークル名:ひややっこ隊 (Homepage)  作者:沢音千尋さん
ジャンル:創作  購入イベント:コミティア in 東京87(2009.2.15)
傾向:少女漫画総集編


 少女漫画や女性向け漫画で重要な要素として挙げられるのは「恋愛」。ラブコメにしろシリアスにしろ、恋愛がいろいろな形で絡み合っていくことで様々なストーリーが生まれていきます。今回の本は沢音千尋さんがこれまでに発刊した同人誌をまとめられたもので、4種類の恋愛模様を楽しむことができます。

 収録されているのは、同じ部屋で男性と女性が時間を入れ替えて過ごしている「おひさまをさがして」と、酔っぱらって行き倒れているところを拾われ、お礼として一日の一割(2時間24分)を過ごすことを要求される「時計仕掛けの恋人たち」、ロボットの教育研修者になった少女と男性型ロボットが噛み合わないやりとりをしながらもコミュニケーションしていく「ネジ式メランコリィ」と、好きだった子と夢の学生生活を送るはずだった少女が司書によってひっかきまわされていく「放課後図書室」の全4作。前者2作は少し登場人物の年齢が高めで、後者は学生と雰囲気がそれぞれ違っていて、メリハリがついてるのが特徴です。

 中でも「時計仕掛けの恋人たち」では「落とし物のお礼は拾得物の一割」という要素を活かしていて、その時間が鬱陶しく思えるものからだんだん短く感じられるものになっていくという過程が巧みでした。「どうして一割なのか」という理由付けもしっかりしているため、二人のやりとりにさらに厚みが出ています。また、各作品とも全体的に登場人物の男性・女性とともにアクティブということもあり、それぞれの人物に暖かみがあって読後感も爽やか。このときは別作品「風花」も購入させていただいたのですが、活発な女性が男性を引っ張る様がとても楽しかったです。
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