2016/03/24(木)第15回「見晴ンです」(ときめきメモリアル)


タイトル:「見晴ンです」「見晴ンです2」
サークル名:茶々組 (Homepage)  作者:竜之介さん   ジャンル:ときめきメモリアル
購入イベント:コミックマーケット50・ときめきパーティーセンセーション3(1996.8.4、1997.5.25)
傾向:突撃王・館林見晴の戦歴の数々
※現在、在庫は無くなっており完売とのことです。


 1994年「ときめきメモリアル」がPCエンジンにて発売。その後95年からプレイステーション、セガサターン、スーパーファミコン、Windowsといった主要ゲーム機に移植され、爆発的に人気が広がっていった、家庭用ゲームにおけるギャルゲーの元祖とも言える作品です。登場キャラクターが多く、二次創作においても想起させるような要素が多かったことから同人誌も数多く発行され「ときめきパーティーセンセーション」などの様々なオンリーイベントが開かれました。

 ゲームでは藤崎詩織や虹野沙希といったメインキャラの他、伊集院レイや館林見晴という隠しキャラも存在し、特に見晴はゲーム中にぶつかってきたりしてちょこちょこ存在感を主張したり、隠しイベント*1で今で言うストーカーチックながらも、エンディングやその隠しイベントで見せる健気さでメインキャラに匹敵する人気を得ていました。今回の同人誌はその館林見晴をフューチャーした「見晴ンです」シリーズ。「ぶつかってくる」=「突撃」ということで「突撃王」と冠された彼女の活躍……もとい暴走が繰り広げられる同人誌です。

 朝日奈夕子固有イベントで夕子が主人公にぶつかったのを見た見晴が、それに倣って突撃したことで主人公に大怪我を負わせたことを皮切りに、自分の情報を漏らそうとした主人公の友人・好雄に突撃(3Fの窓から落下→救急車)、別ヒロイン・沙希に応援されそうになったところを突撃(キャプ●ン翼ばりにゴールネットを突き破る→瞳孔開く)、正体を明かしたレイをぶん殴った勢いで伝説の樹にぶつける(伝説の樹、脆くも折れる)など突撃王としてやりたい放題。2ではさらにフォークダンスで踊りたいがために他の女子に突撃したり(校庭が阿鼻叫喚の嵐)、隠しイベントで別れを告げつつ突撃したら紐緒結奈に目をつけられて返り討ちにしたり(世界征服から救うことに)と、彼女の突撃王っぷりが余すところ無く繰り広げられていきます。

 突撃だけではなく、1では意図的、2では偶発的に詩織の爆弾を炸裂させるという策士っぷりも。最終的にはその詩織と対峙することになって彼女の完璧っぷりに負けてしまい、主人公に別れを告げるとともに伝説の樹にも別れを告げ突撃(主人公&詩織がそのとばっちり)……彼女の印象といえば確かに「よくぶつかってくる女の子」ですが、それをここまで広げるのは凄まじいなと思いました。本編だけでなく、両作の裏表紙(1は二人の思い出の写真、2は隠しイベント中涙する見晴の写真)も実に愛情がこもった作画。特に1は原作のおまけでは想い出の場面が少なかっただけに、物語の裏側ではこんな感じだったんだろうなと感じられる佳き構成でした。

 竜之介さんといえば本作の他にもバイオレンスな詩織*2や告白直前でヒロイン全員がバトルロイヤル(notロワイアル)といったインパクトの強い作品が印象的でしたが、見晴が一番のお気に入りということもあってか、本作はまさにその真骨頂ともいえる作品でした。

*1 : しかも他キャラルートにおいて主人公に別れを告げる役回り。

*2 : オールフルカラー同人誌「いや~んばくだん」での「主人公の詩織への血の誓約書」は、オールカラーだったこともあり特に凄まじかったです。

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