2016/04/01(金)第22回「保母はキュートな操獣士」(オリジナル)

タイトル:保母はキュートな操獣士(ぱいろっと)
サークル名:機甲梁山泊 (Homepage)  作者:矢薙じょうさん
ジャンル:創作  購入イベント:COMITIA in 東京87(2009.2.15) ~ 続刊
傾向:シリアス&ほのぼの・保育士+メカもの


 16年前、『V・A・C』――通称『夢喰い』と呼ばれる生命体の出現により、無数の"大人"たちが消え地球の全人口は1/3にまで減少してしまう。その後も『夢喰い』は出現を続け、ついには"幼い子供"たちの神隠しまで始まってしまった。『夢喰い』への恐怖から人口だけではなく出生率まで減少し、人類はかつてない未曾有の危機を迎えることとなる。だが、人類は『夢喰い』への対抗として子供たちのための防衛都市『保育防衛幼稚園《EX-Aide》システム』を構築し、その要となる『ヌイグル』と呼ばれるロボが子供たちを守ることとなった。この物語は、そのヌイグルのパイロット――通称『保母さん』の物語である。

 普段は滑り台やブランコなどになり、子供たちの遊具として過ごしている『ヌイグル』たち。彼らのまわりで子供たちがはしゃぐ姿はまさに保育園・幼稚園そのものなのですが、ひとたび『夢喰い』が現れれば対抗するロボとなり、保母さんがそれらを駆って子供たちの応援とともに戦っていくという形なのですが、複数の保母がパイロットだったり、多くの子供たちの応援がエネルギーになったりというのはかつてのロボットもの、中でも90年代に一世を風靡した「エルドランシリーズ」*1を彷彿とさせるような設定。しかし「保母も園児も、みんなが何らかの形で役割を担う」という年代を超えた繋がりにより、物語を引き締めた形になっているのが佳きところ。

 1巻は少し短めではありますが、戦闘シーンあり、子供たちとのエピソードあり、ロボの合体シーンありと内容が盛りだくさん。ロボも意志を持っていて、今回の主人公である保母・陽花と獣陸丸とケンカしたりと個性豊かなキャラが揃っています。今後も続刊を予定しているとのことで、5月のコミティアで頒布された「curriculum 2」ではさらにストーリーを増強した形になっていて、もう一人の保母・千由里を軸に別の園児とのドラマが展開したり、ライバルらしき組織が出現したりとさらに見所が増えています。

*1 : 「絶対無敵ライジンオー」(91年)、「元気爆発ガンバルガー」(92年)、「熱血最強ゴウザウラー」(93年)。どれも主人公は小学生たちであり、特に「ライジンオー」「ガンバルガー」はクラス全員が役割を持って敵と戦うという設定でした。

OK キャンセル 確認 その他